2022.7.19 有志会

2022.7.19の有志会では、FIDIにおける高齢者・高齢期に向かう患者に対する補綴治療の考えを学びました。
歯の喪失による咀嚼障害における補綴治療は咀嚼機能回復のために意味のある治療ですが、高齢になり運動機能の喪失によって咀嚼障害になった患者には必ずしも歯は必要ではなく、逆に歯が存在することによってさまざまなリスクを招く側面もあります。

インプラント補綴物は天然歯がすべて失われた後でもロストせず口腔内で生き残る可能性が高く、不潔な補綴物が残存することによる誤嚥性肺炎のリスクが生じます。また、インプラント補綴物の対顎が無歯顎だと咬傷を誘発することもあります。
通院が困難になる前の段階で、上下左右でバーティカルストップが維持出来るようインプラントを追加するのか、歯牙が不要となったとき上部構造を撤去出来るよう可撤性の義歯にするのか、それともインプラントを退場させてしまうのか判断し、患者に伝えることが必要となります。

日本人は健康寿命と平均寿命の差が最も大きく、介護が必要となり通院が出来ず歯科治療の介入が困難となる期間が長いため、そのステージをどのように準備して迎えるかを考えていく必要があると学びました。


2022年7月22日
投稿者:しのぶ歯科インプラントセンター 管理人
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